昼休憩になって、咲桜と頼と中庭に移動した。やーっと心休まる時間だ。
「あのね、咲桜」
お弁当の準備をしている咲桜に、小さく呼びかけた。
「ん?」
「さっき、その……遙音くんに、ね?」
「うん」
「こ、『これからもすきでいさせて』、て言われたの」
「おお」
遙音先輩やるな。咲桜がそう言った。冷やかしではなくて、本心から言っているみたいだ。
「ってことはだよ? これからも遙音くんをすきでいてもらうために、あたしも頑張らなきゃだよね」
「確かに。努力だね。私も必要だよね、そういうとこ」
「そういうわけで! あたしが何か女子としておかしなことしたらバシッと止めてね!」
「了解。私もお願いする」
ガシッと咲桜と手を組んだ。
頼はパンを食しながら黙って眺めていた。