いつもより笑満が遅いなーとは思っていたけど、遙音先輩が一緒ならまあ、藪はつつくまい。蜂が飛び出して来たらやだし。

笑満が入って来たのは始業ギリギリだった。軽く驚いた。

茶化す周囲に「あはは」と笑って笑満は席についた。

「笑満?」

「あ、おはよう」

「おはよ。どうかした?」

「え? ……ううん」

考える間があってからの返事だった。

様子がおかしことは明白。しかしすぐに担任が入って来て、訊くタイミングを逃してしまった。