「宮寺先生の写真撮ってもいいけど、神宮先生巻き込まないでね」
「えー無理かもー」
「頼」
「努力しまーす」
「………」
この返事では撮るだろうな。あとでデータ消しておこう。
しかしさ。
「………」
先輩に説得されている流夜くんは、嫌そうな顔。思いっきり素でいる。『神宮先生』の欠片もない。
あーやっぱ素敵だなー。でもなんで宮寺先生に塩投げてるんだろうなー。まいてるって言うか投げつけてたよ。……やっぱりいまいち関係性がわからない人たちだ。
先輩の仲介? で、その場は静まった。頼が「部活でーす」と大きく手を振ると、今度は流夜くんは半眼になった。
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「へー、ってことは神宮先生の弱みとかも知ってるってことっすか?」
「日義余計なこと訊いてるんじゃない」
資料室に、宮寺先生までついてきた。流夜くんと同級であることを、改めて宮寺先生の口から聞いた頼は興味津々と問う。
「いいじゃないすかー。先生撮るのはいちお諦めましたからー」
「とる? て何?」
宮寺先生が反応すると、頼がさっとカメラを出して見せた。
「流夜くんと咲桜の写真撮りたいんですけど、流夜くんがツラさらしたくないって言うんで。どうにか陥落させたいんで脅しネタとかないすか?」
「日義」
「頼」
流夜くんと私に睨まれた。それで宮寺先生なんとなく事態を把握したみたいだ。