「さて。今日は部活な日です」
「え、あれって活動するの?」
「と言うか生徒会に申請通ったのも知らなかった……」
放課後、未だ眠そうなテンションの頼に言われて、私と笑満の反応は薄い。
「だいじょーぶ。脅したから」
「「ちっとも大丈夫じゃない!」」
「あんたまた何やらかしたの⁉」
「今度は生徒会に喧嘩売ったの⁉ 短絡バカ!」
私たちに揃って怒られた。しかし頼に傷はない。
「まあまあ」
「焦りなさい!」
特に私の導火線に火をつけた。相変わらず過ぎだこいつは!
「一応生徒会は問題なく通過してるよ」
扉の向こうからかかった声に、笑満がばっと顔をあげた。
「遙音くん!」
「頼に呼ばれた。俺も心配だったから先輩に訊いたんだけど、まあ……なんとか触法(しょくほう)ではないよ」
どういう口の濁し方ですか。
私の目が半眼になる。遙音先輩の登場で笑満の瞳はキラキラしている。
「いや先輩、触法って言い方を日常生活で使わないでくださいよ」
「咲桜の奴の方が日常非合法だろ。頼なんかまだまだだ」
「………」
返す言葉がない。た、確かにかもしれない……。そんな言われ方する教師もどうだよと思うけど。
「あああの! さ! さっと行きましょう!」
遙音先輩を好奇の瞳で見るクラスメイトたちに気づいた笑満が、私の腕を摑んで先輩の背中を押した。
これ以上先輩を見てほしくない。……なんて思っているみたいだ。可愛い。
「で、部長、何やる?」
私が頼に、部活内容を丸投げされた。
「……あのね頼」
「咲桜のためでもあるんだから写真撮らせてな」
にっこり、また懐からカメラ取り出しやがった。迷わず渋面を作る。