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細い束の金髪に、少し伸びた襟足。群青の瞳。


大男に絡まれている岬を救けようと足を踏み込んだ瞬間現れた、その男。厘は直ぐさま察知して、気配を消した。



「また厄介なものに……(アイツ)はなんだ、面倒を引き寄せる才能があるのか」


ため息とともに額を抱える。厘は岬が再び不運に巻き込まれる予感を、密かに感じていた。