ばっちりと出た赤い二本の線を見て、いつもより大きく瞬きをしてしまったのは、信じたくないという気持ちがあったからだろう。
「マジか……」
自宅の洋式トイレに座っているけれど、妊娠検査薬を片手に、大きくため息をついてしまった。
心当たりは、ある。
間違いなく、あの日。あの時のあの男。
だからこそ、つい「マジか……」と声が漏れてしまうのだ。
――産む? 堕ろす?
中絶するにしても、相手の同意が欲しいと聞いたことがある。となればもう一度、あの男と話をしなければならないだろう。
「マジかぁ~」
もう、何度口にしたかわからない。いや、だってもう、信じたくないから。
やっと重い腰をあげトイレから出ると、くっきり二本線が出ている検査薬を、ぽいっとごみ箱へと投げ捨てた。
それから、スマホを手にして、あの男に連絡をした。
「マジか……」
自宅の洋式トイレに座っているけれど、妊娠検査薬を片手に、大きくため息をついてしまった。
心当たりは、ある。
間違いなく、あの日。あの時のあの男。
だからこそ、つい「マジか……」と声が漏れてしまうのだ。
――産む? 堕ろす?
中絶するにしても、相手の同意が欲しいと聞いたことがある。となればもう一度、あの男と話をしなければならないだろう。
「マジかぁ~」
もう、何度口にしたかわからない。いや、だってもう、信じたくないから。
やっと重い腰をあげトイレから出ると、くっきり二本線が出ている検査薬を、ぽいっとごみ箱へと投げ捨てた。
それから、スマホを手にして、あの男に連絡をした。