「ねぇ、ゆうくん。大きくなったら、わたしをおよめさんにしてくれる?」 草木が生い茂る、日差しが優しい夕刻。 別れが近いと感じて、勢いのままに問いかける。 ゆうくん、と呼んだ目の前の男の子は、目を細めて微笑んだ。 「うん。大きくなったら、君を迎えに行くよ」 ふたりで、指切りをして約束をした──。