窓辺から差し込む光に、朝が来たことに気づく。瞼は重くてなかなか開かない。

(あったかい……お日様みたいな匂い……) 

とくんとくんと、心地よい鼓動に包まれて、いつまでもこうしていたくなる。

「……さ……つき」

「え?」

気のせいかと思いながら、慌てて瞳を開ければ、気持ちよさそうに眠る彰の寝顔があった。

あっという間に顔が火照るように熱くなる。

(どゆこと?……確か……昨日、雷が怖くて、彰が来てくれて……そのまま?)

彰の寝顔は、小さい頃と、ちっとも変わらない。

長い睫毛に形の良い唇、キラキラ光るお日様色の髪と匂い。私は思わず、彰の頬に触れていた。

「彰……いつもありがとう」

昨日、彰におぶわれながら、見上げた流星に願った、願い事。いつか彰に言えるだろうか。叶うだろうか。

「彰、ずっと一緒にいてね」

すやすやと眠る彰の胸元に顔を軽く埋めると、何度も大好きだよと心で唱えて、私はまた瞳を閉じた。