「ちなみに俺は!意外かもしれないが、牛乳至上主義だ!覚えておいてくれよな、ガハハハッ」

「あ、そうですか」

もう否定することすらも、馬鹿らしくなってきた俺は、素直に頷いた。

まんまじゃねーかよ、と呆れたような駿介の小声が真後ろから、小さく聞こえる。

「ところで、なんすか?」

肘を突いたまま、見上げた俺を谷口先輩が、ニヤリと笑いながら唾を飛ばした。

「陸上部、恒例の筋力トレーニングという名の肝試しだ!新入部員の登竜門でな!俺が引率するから、お前ら絶対来いよ!」

「え?」
「は?」

大きな口でガハガハと笑う谷口先輩を見ながら、俺と駿介の声が同時に発せられる。

「それ、マネージャーは無しでいいんですよね?」

先に口を開いたのは駿介だった。

「いや、マネージャーをおぶって、足の筋力を鍛えながら、夜の池を一周してもらう」

「砂月はダメです」

「愛子も無理です」

俺たちの即答に、谷口先輩が腰に手を当てると、途端に鼻息が荒くなった。