「……あ、きら?」
砂月の、いつもの俺を呼ぶ声に安堵する。
「……うん」
「どうしたの?」
砂月が、心配そうに俺を見上げた。
「……もうちょっとだけ」
いつもなら、砂月をすぐに離すけど、今日は、どうしてもすぐに離したくなかった。いつまでたっても離れない俺に、砂月は諦めたように背中にぎゅっと砂月の両手が回される。
「彰、しんどかった?」
気遣うように、か細い声で砂月が、こちらを見上げようとする。
「大丈夫だよ」
俺は、顔を見られないように、もう少しだけ力を込めて砂月を包んだ。
「私、いつも覚えてなくて……あの、彰にお願いしてばっかりだし」
「砂月が、怖くて、しんどくないなら、俺はいい」
「憑かれやすい私のこと嫌じゃない?」
「な訳ねーだろ」
こんなに近いのに、何て言ったらちゃんと伝えられるんだろう。
幼なじみというのは厄介だ。近くて遠い。ちゃんと触れたと思っても、すぐすり抜けていくような、酷く曖昧な関係で。
砂月の、いつもの俺を呼ぶ声に安堵する。
「……うん」
「どうしたの?」
砂月が、心配そうに俺を見上げた。
「……もうちょっとだけ」
いつもなら、砂月をすぐに離すけど、今日は、どうしてもすぐに離したくなかった。いつまでたっても離れない俺に、砂月は諦めたように背中にぎゅっと砂月の両手が回される。
「彰、しんどかった?」
気遣うように、か細い声で砂月が、こちらを見上げようとする。
「大丈夫だよ」
俺は、顔を見られないように、もう少しだけ力を込めて砂月を包んだ。
「私、いつも覚えてなくて……あの、彰にお願いしてばっかりだし」
「砂月が、怖くて、しんどくないなら、俺はいい」
「憑かれやすい私のこと嫌じゃない?」
「な訳ねーだろ」
こんなに近いのに、何て言ったらちゃんと伝えられるんだろう。
幼なじみというのは厄介だ。近くて遠い。ちゃんと触れたと思っても、すぐすり抜けていくような、酷く曖昧な関係で。