親父は相変わらず口を開けたまま、眠っているだけのような表情をしていた。俺は震える手で、親父の頭、額、頬、それから手に触れた。心臓が動いていた時よりも、親父の体温は更に下がっていた。
「……ごめん、親父。看取れなくて、間に合わなくて……ごめんなさい…………」
ごめんなさい、と素直な言葉が、唇からこぼれ落ちた。
途端に、涙腺は一気に崩壊した。俺は泣き崩れ、担当医が駆け付けてくれるまで、泣きながらずっと謝り続けていた。親父の身体はどんどん体温を失っていくのに、それでも触れるだけで込み上げる愛おしさは拭えなくて、俺の涙はなかなか止まってくれなかった。
ずっとそばにいると言いながら、 俺は結局、一人きりのまま親父を逝かせてしまったのだ。心臓が止まるのは、きっと怖くて心細かったに違いない。
なのに俺は、その時に限って、手を握ってさえやれなかったのだ。
「……ごめん、親父。看取れなくて、間に合わなくて……ごめんなさい…………」
ごめんなさい、と素直な言葉が、唇からこぼれ落ちた。
途端に、涙腺は一気に崩壊した。俺は泣き崩れ、担当医が駆け付けてくれるまで、泣きながらずっと謝り続けていた。親父の身体はどんどん体温を失っていくのに、それでも触れるだけで込み上げる愛おしさは拭えなくて、俺の涙はなかなか止まってくれなかった。
ずっとそばにいると言いながら、 俺は結局、一人きりのまま親父を逝かせてしまったのだ。心臓が止まるのは、きっと怖くて心細かったに違いない。
なのに俺は、その時に限って、手を握ってさえやれなかったのだ。