親父の退院の目途が立たないまま、三週間が過ぎた。
三月も中旬を超え、寒さも少しばかり落ち着きを見せ始めた頃である。親父は入院中に一時的に体調を崩してしまったが、病院という環境が整った場所で、世話をしてくれる人間が二十四時間滞在している事もあって回復も早かった。
親父はその後、予定通りリハビリに励んだ。その効果もあってか、院内を少し出歩けるまでに体力も戻った。
春なんてすぐそこだ。きっと、今回も大丈夫だろう。
見舞いに訪れてくれた親父の友人達も、俺と同じような安堵の表情を浮かべていた。親父は、愚痴や笑いのタネを口にするくらい元気で、春を迎えられないとは思えないほど明るい笑顔を見せた。
俺は会社が休みの土日は、正午前から夕方まで親父に付き合った。親父の検診やリハビリの間は、待合室で本を読んで時間を潰した。親父が部屋に戻れば、薬と疲労による睡魔で彼が目を閉じるまでお喋りに付き合い、親父が眠っている時間を利用して親父の家へと足を運び、郵便物のチェックや大まかな掃除を行った。
三月も中旬を超え、寒さも少しばかり落ち着きを見せ始めた頃である。親父は入院中に一時的に体調を崩してしまったが、病院という環境が整った場所で、世話をしてくれる人間が二十四時間滞在している事もあって回復も早かった。
親父はその後、予定通りリハビリに励んだ。その効果もあってか、院内を少し出歩けるまでに体力も戻った。
春なんてすぐそこだ。きっと、今回も大丈夫だろう。
見舞いに訪れてくれた親父の友人達も、俺と同じような安堵の表情を浮かべていた。親父は、愚痴や笑いのタネを口にするくらい元気で、春を迎えられないとは思えないほど明るい笑顔を見せた。
俺は会社が休みの土日は、正午前から夕方まで親父に付き合った。親父の検診やリハビリの間は、待合室で本を読んで時間を潰した。親父が部屋に戻れば、薬と疲労による睡魔で彼が目を閉じるまでお喋りに付き合い、親父が眠っている時間を利用して親父の家へと足を運び、郵便物のチェックや大まかな掃除を行った。