病院に到着して早々、俺は一般病棟の一室に案内された。個室のベッドに横になっていた親父は意識があり、俺を見るなり、ちょっと疲れた顔で「すまないな」といつものように、呆気からんとした様子でそう言えるくらいの元気はあった。
病室には担当医がいた。親父はつい先程意識が戻ったらしい。医者は俺達に向かって「食道静脈瘤が原因ですね」と、なんでもないような口調でそう説明した。
簡単に言えば、胃の入り口に届かない距離の食道で、血液のボールのような膨らみが出来て、それが食べ物かなんらかの負荷でポンっと弾けたのだという。その血液が胃に溜まり、胃液と共に口から飛び出してきたのだと、医者は分かりやすく述べた。
内臓が弱ってしまった末期の癌患者には多い事なのだと、医者が続けてそう言ったものだから、俺と親父は「なんだ、そうなのか」と拍子抜けしたような息をついてしまった。
病室には担当医がいた。親父はつい先程意識が戻ったらしい。医者は俺達に向かって「食道静脈瘤が原因ですね」と、なんでもないような口調でそう説明した。
簡単に言えば、胃の入り口に届かない距離の食道で、血液のボールのような膨らみが出来て、それが食べ物かなんらかの負荷でポンっと弾けたのだという。その血液が胃に溜まり、胃液と共に口から飛び出してきたのだと、医者は分かりやすく述べた。
内臓が弱ってしまった末期の癌患者には多い事なのだと、医者が続けてそう言ったものだから、俺と親父は「なんだ、そうなのか」と拍子抜けしたような息をついてしまった。