親父はプライドが高い人だったから、排泄に関しては一番気に病んでいる様子でもあった。排泄は、アンモニアや塩分を流してくれる大事なものだ。我慢されても困るので、俺はすぐに対策を練って実行に移した。

 トイレの出入り口に棚を設けて、そこにトイレットペーパーやティッシュ、シャンプーや洗剤などの生活用品を揃えた。そこに、さもついでだと言わんばかりに、取りやすいよう大人用オムツを置いたのだ。


 親父は少し歩けるようになった頃、トイレに入る前に、そこから自分でオムツを取り出して使用するようになった。時折、トイレに間に合わずオムツの中で排泄をもらしたが、一週間後にはオムツの替えも自分で行うようになっていた。

 俺の手を必要としなかったから、そこは正直助かった。リハビリも兼ねるだろうからと、俺も彼が弱音を上げるまでは放っておくことにした。