幼馴染がいる。俺とは正反対の、優しくてかっこいい幼馴染だ。
だけど今日、そいつと一緒に屋上から飛び降りた。

ビュンビュンという風が耳をかすめる中、
窓越しにクラスメイトと目が合った。握った手がどんどんと冷えていく。

「あっ、俺たち死ぬんだ。」

俺のせいで、こいつが死んでしまう。
こいつを殺したのは、俺なんだ。

ねえ、神様。
俺のことは良いから、どうかせめてこいつの命だけは助けてください。

落ちていくとき気絶するなんて話を聞いたことがあったが、
そんなことは全くない。
この世界で見る最期の景色は、無機質な地面でも憎いほど良く晴れた青空でもなく、
俺のことをただじっと見つめる幼馴染の顔だった。