「あれ?」

この声には聞き覚えがある。間違いない。城戸君の声だ。
私の声帯が、何故か彼の声になっていた。
現状を理解できず喉に手を当てると、仲間らしき人が声をかけてきた。

「どうした?旅のゴールもすぐそこだし、しっかりしてくれよ?」
「えっ?」

話を聞くと、どうやらもうラスボス戦を残すのみとのこと。
まだここに来たばかりだというのに展開が早すぎる。

「てか、ボス倒せるの?」
「おいおい何言ってんだよ。お前が念には念を入れたいとか言って、
ボスの推定レベル150なのに俺ら全員500以上だから余裕で倒せるだろ。」
「どっちが悪かわかんないよ。」

まだ何もわかってないのに、このまま行ったら終わりまっしぐらだ。
あれ?てかこれってもしかして、城戸君が将来担当するアニメの世界だったりする…?