「結婚したいのですが」
はじめての結婚相談所。声を発してみた。緊張マックスの私。落ち着け!! 目の前には端正な顔立ちのモデルのような男性がいる。正直、このような男性と話したことはないので、緊張を悟られないようにしなければ。
「ここは結婚相談所ですから、そんなことはわかっておりますが」
ここは、婚活カウンセラーは基本異性と決まっているらしい。女性には男性。男性には女性。そんな口コミをネットのサイトで読んで、ここに決めた。今まで彼氏いない歴年齢の私には、こういったところが一番いいだろう。
たいていの相談所というのは一般的にお見合いおばちゃんが担当するのだが、ここは若い異性が担当するというこだわりを持ち、あえてデート練習もあるらしい。模擬デートだ。
アドバイスまでしてもらえるとは!! ありがたい。アドバイス通りにすれば、基本、恋愛して、結婚できるらしい。なんてありがたいシステムなのだろう。
「あなたみたいな若い男が担当になるってわけ?」
どうしても、このような言い方しかできない自分が歯がゆい。
「お客様、まずはこちらのシステムを説明して納得していただいた上でご入会するかどうかを決定していただきます」
「細かいことはいいから、入会決定でお願いします」
だって、あらゆる口コミサイトで精査したうえでここを選んだのだから、入会するに決まっているでしょ。
「会費のご説明をさせていただきます」
この人、私が収入低そうって思っているんじゃないでしょうね?
「会費なんていくらでも払うから、いい男紹介してよね」
だって、事前に入念に調べて来たのだから会費のシステムは熟知しているわ。
「では、相手へのご希望は? 年収、学歴などこちらへ明記してください」
「学歴や年収でいい男の基準が決まるわけでもないでしょ。そういった希望はないわ」
だって今まで好きになっても学歴が高くても性格が悪いなんてことは多々あったし、年収だって同じだわ。
「じゃあ実際にお写真を見て決めていただきますか?」
もしかして、私が顔で選ぶようなタイプの女だと思っているんじゃないの? この男、顔もいいし、きっと女を顔で決めるタイプだわ。
「あなたが決めてよ」
結局出た言葉が、こんなぶっきらぼうな一言だなんて、私ってだめだわ。
「まずは、入会申込書にあなたの経歴や個人情報や趣味などをご記入くださいませ」
こんなイケメンな男性の前に十分以上二人きりで会話するなんて、手が震えるわ。緊張を悟られないように、なんとか字を書かないと。震えないように……。
そうだ、この男、既婚者かもしれない。そうすれば、私の緊張も半減するわ。
「あなた結婚していないの?」
「あいにくしてはおりませんが」
独身イケメン男性なんて、私のストライクゾーンに直球じゃない。せめて既婚者ならば、意識しないで済んだかもしれないのに。
「結婚してもいない人がアドバイザーになるなんて笑っちゃうわね」
私の馬鹿、ついこんなことを言ってしまったわ。私が緊張するから、せめてもう少し距離が欲しい。顔が赤くなるわ。
「しかし、独身の異性と話をしたり、模擬デートをすることで、練習していただくという弊社の考えでございますから」
どこを見つめればいいの? 変に目をそらしたら、挙動不審とか男に慣れていないって思われそうよね。この人の瞳をじっとみつめる。むしろ、それしか私には思いつかないわ。あれ? 彼のほうが視線をそらしてしまった。まずい、見つめすぎてやばい女だと思われたのでは。
男と女の思いは交差して絡み合うのである。
はじめての結婚相談所。声を発してみた。緊張マックスの私。落ち着け!! 目の前には端正な顔立ちのモデルのような男性がいる。正直、このような男性と話したことはないので、緊張を悟られないようにしなければ。
「ここは結婚相談所ですから、そんなことはわかっておりますが」
ここは、婚活カウンセラーは基本異性と決まっているらしい。女性には男性。男性には女性。そんな口コミをネットのサイトで読んで、ここに決めた。今まで彼氏いない歴年齢の私には、こういったところが一番いいだろう。
たいていの相談所というのは一般的にお見合いおばちゃんが担当するのだが、ここは若い異性が担当するというこだわりを持ち、あえてデート練習もあるらしい。模擬デートだ。
アドバイスまでしてもらえるとは!! ありがたい。アドバイス通りにすれば、基本、恋愛して、結婚できるらしい。なんてありがたいシステムなのだろう。
「あなたみたいな若い男が担当になるってわけ?」
どうしても、このような言い方しかできない自分が歯がゆい。
「お客様、まずはこちらのシステムを説明して納得していただいた上でご入会するかどうかを決定していただきます」
「細かいことはいいから、入会決定でお願いします」
だって、あらゆる口コミサイトで精査したうえでここを選んだのだから、入会するに決まっているでしょ。
「会費のご説明をさせていただきます」
この人、私が収入低そうって思っているんじゃないでしょうね?
「会費なんていくらでも払うから、いい男紹介してよね」
だって、事前に入念に調べて来たのだから会費のシステムは熟知しているわ。
「では、相手へのご希望は? 年収、学歴などこちらへ明記してください」
「学歴や年収でいい男の基準が決まるわけでもないでしょ。そういった希望はないわ」
だって今まで好きになっても学歴が高くても性格が悪いなんてことは多々あったし、年収だって同じだわ。
「じゃあ実際にお写真を見て決めていただきますか?」
もしかして、私が顔で選ぶようなタイプの女だと思っているんじゃないの? この男、顔もいいし、きっと女を顔で決めるタイプだわ。
「あなたが決めてよ」
結局出た言葉が、こんなぶっきらぼうな一言だなんて、私ってだめだわ。
「まずは、入会申込書にあなたの経歴や個人情報や趣味などをご記入くださいませ」
こんなイケメンな男性の前に十分以上二人きりで会話するなんて、手が震えるわ。緊張を悟られないように、なんとか字を書かないと。震えないように……。
そうだ、この男、既婚者かもしれない。そうすれば、私の緊張も半減するわ。
「あなた結婚していないの?」
「あいにくしてはおりませんが」
独身イケメン男性なんて、私のストライクゾーンに直球じゃない。せめて既婚者ならば、意識しないで済んだかもしれないのに。
「結婚してもいない人がアドバイザーになるなんて笑っちゃうわね」
私の馬鹿、ついこんなことを言ってしまったわ。私が緊張するから、せめてもう少し距離が欲しい。顔が赤くなるわ。
「しかし、独身の異性と話をしたり、模擬デートをすることで、練習していただくという弊社の考えでございますから」
どこを見つめればいいの? 変に目をそらしたら、挙動不審とか男に慣れていないって思われそうよね。この人の瞳をじっとみつめる。むしろ、それしか私には思いつかないわ。あれ? 彼のほうが視線をそらしてしまった。まずい、見つめすぎてやばい女だと思われたのでは。
男と女の思いは交差して絡み合うのである。