『此処は寂しいを吐き出す場所だから、いつでも寂しいを落として、いいからね。優』
私は暫くその画面を、眺めてた。寂しいを『言う』とか『書く』とかじゃなくて、『落とす』って言葉が印象的だった。
こんな世間から見たら、可哀想な私が、意地を張らずに、素直に寂しいを溢してもいいんだって、辛くなったら、落っことしちゃっていいんだって思ったら、どこかほっとした。
数ヶ月後、うちの両親は、結局離婚することになった。
毎日学校から帰れば、両親がリビングで待ち構えていて、私が、どちらに着いていくのが幸せなのかを何十回も繰り返し、議論する。
お母さんが聞く。
『ママと来なさい』
お洗濯だって、お料理だって、パパは何一つできないんだから、優は、パパについて行っても困るだけ。
お父さんが促す。
『パパを選びなさい』
経済的にも不安定なママより、より良い教育を受けさせてやるから。将来安泰はどっちだろうね、優?