「皆さん、お待たせしました。このクラスの担任の神代俊哉(くましろしゅんや)です」

白のチョークでサラサラと名前を書くと「くましろしゅんや」とフリガナを振った。その横に見たことのある、白くまの絵を書いた。

「としや」じゃなくて「しゅんや」なことにも驚いたけど、苗字を見て私はクスッと笑った。

神代(くましろ)、くましろ、クマ白。だから、クマ先生と名乗って、サイトには白くまがついてたんだ。

先生が、名簿を見ながら、生徒一人一人の名前を確認するように、名前を呼んでいく。高鳴る鼓動と共に、私の番がやってきた。

「春野 (まさる)

そう呼んでから、俊哉が私を見て、大きく目を見開いた。 

「先生、ゆう、です」

「あ!ごめん。春野、(ゆう)さん、だね」

私をじっと見て、その後、恥ずかしそうに頭を掻きながら、俊哉が目尻を下げて笑った。