半年後、私は、今年の春から無事に高校生になった。

俊哉に勧められた○○高校に無事合格したからだ。正直、不真面目な生徒だった私は、本格的に絵を学びたい一心で猛勉強した。

中学校の担任の先生から無理だと言われた時は、さすがに落ち込んで、クマ先生にメッセージを送った。

『絶対大丈夫だから！諦めるな！』

その言葉を、私のお守りにした。



「先生遅いよなー」

「どこから来るんだっけ？」

そんな声が教室のあちこちから聞こえてくる
私のクラスは１年1組だが、担任の先生は、本日付けで、別の高校から赴任してくるらしく、少し遅れていた。

ガヤガヤと、そこら中から話し声がする騒がしい教室のドアが、ガラリと開かれる。
　
その瞬間、私の心臓はとくんと跳ねた。