俊哉は私をチラッと見ると、コンビニ袋からお弁当を取り出して、私に差し出した。

「こんな物だけど、お腹減ってるんじゃないかな?良かったらどうぞ」

たしかにお腹がペコペコだった。

「……あの……有難う御座います……」

「いいえ、どう致しまして」

私は、小さくお礼を言って、割り箸を割った。

「……美味しい」 

俊哉の買ってきてくれた、ハンバーグ弁当は、すっかり冷めていたのに、なんだか心があったくなって、涙が出そうだった。

「まさる、大丈夫?」

「ゆう」

「え?」

俊哉が聞き返した。

「本当の名前は、先生が言ってくれた優しいの文字で『(ゆう)』、今……中3だから」

「そっか、わかった」

私が食べ終わって、コンビニ袋にお弁当を仕舞うと、俊哉が静かに口を開いた。