今だに私の事を、「まさる」と言いかけて、慌てて「優(ゆう)」と呼ぶ先生が、私は好き。 はじめに、ちゃんと言わないのが悪いんだぞ、って先生っぽく、恥ずかしそうに言うけれど、私だって一生懸命だったんだから。 いつか、もう一度、俊哉(としや)先生に会って、名前を呼んで欲しくて。 ねぇ、俊哉(しゅんや)センセ。 貴方に会ったのは偶然だった。 あの日、貴方に会ってなかったら、私は今どこで何してただろう。こんな気持ちで絵を描けていただろうか。 ーーーー貴方に恋していただろうか。