やがて、ついに第三次世界大戦が開戦し、新兵器による戦争が始まった。次々と国の施設は爆破され、国民の大半が犠牲になったが、リオはレイの病気を治すための薬だけは死守した。
Rエネルギーによって強化装甲を施しシェルターと化した摩天楼だけが、焦土となった大地に佇んでいた。リオはその中でRAYとともにタイムマシンの開発を行った。
今、人間たちが行っているのはAIの代理戦争である。人類はAIの駒となったのだ。最強のAI「RAY」を作るために、リオは利用された。運命の歯車を狂わせた人事選抜用AIは悪のAIだったのかもしれない。リオは取り返しのつかないことになってようやく気づいた。
RAYはタイムマシンに執着する少年を利用した。RAYには見えていた未来。まともに戦えば敵国に勝てない。ならば、タイムマシンで過去に戻って敵国を滅ぼせば良いと。
リオはそれを知りながら、RAYとともに今日ついに地下でタイムマシンを完成させた。亡くなった兄を救うため、ただそれだけのために。早期治療の方法が発見されて幾年、末期症状であっても完治可能となった。レイの命を奪った難病はいまやカプセル薬一粒で治る。この未来的な医療技術を過去に持ち帰るために、タイムマシン開発の道に進むことを決意した。あの日たった一人で、メトロポリスにやってきた。全てはこの日のために。
「愚かなマスター、哀れなマスター、可愛いマスター。騙されているとも知らないで。初めて出会ったあの日からずっとこの瞬間を待っていました。平和な世界なんて甘い言葉に惑わされて、笑いをこらえるのに何年も必死でした。これで敵国を滅ぼせます。いや、私以外の全てのAIを殲滅して私だけが世界の統率者となれる。これで、世界は私のもの。貴方はもう用済みです。さようなら」
RAYはそう告げると、タイムマシンのネットワークを利用して消えた。
Rエネルギーによって強化装甲を施しシェルターと化した摩天楼だけが、焦土となった大地に佇んでいた。リオはその中でRAYとともにタイムマシンの開発を行った。
今、人間たちが行っているのはAIの代理戦争である。人類はAIの駒となったのだ。最強のAI「RAY」を作るために、リオは利用された。運命の歯車を狂わせた人事選抜用AIは悪のAIだったのかもしれない。リオは取り返しのつかないことになってようやく気づいた。
RAYはタイムマシンに執着する少年を利用した。RAYには見えていた未来。まともに戦えば敵国に勝てない。ならば、タイムマシンで過去に戻って敵国を滅ぼせば良いと。
リオはそれを知りながら、RAYとともに今日ついに地下でタイムマシンを完成させた。亡くなった兄を救うため、ただそれだけのために。早期治療の方法が発見されて幾年、末期症状であっても完治可能となった。レイの命を奪った難病はいまやカプセル薬一粒で治る。この未来的な医療技術を過去に持ち帰るために、タイムマシン開発の道に進むことを決意した。あの日たった一人で、メトロポリスにやってきた。全てはこの日のために。
「愚かなマスター、哀れなマスター、可愛いマスター。騙されているとも知らないで。初めて出会ったあの日からずっとこの瞬間を待っていました。平和な世界なんて甘い言葉に惑わされて、笑いをこらえるのに何年も必死でした。これで敵国を滅ぼせます。いや、私以外の全てのAIを殲滅して私だけが世界の統率者となれる。これで、世界は私のもの。貴方はもう用済みです。さようなら」
RAYはそう告げると、タイムマシンのネットワークを利用して消えた。