いつか、ティーゼも未来を視てしまうのかもしれない。それが何年、何十年先なのかは分からないが、周りの大人達は「両親が珍しいパターンなだけであって、滅多に国政に関わる未来視はないので安心するように」とも言っていた。
ティーゼとしては、こんなにも人間じみているのに、本当に視る事があるのだろうかと常々疑問に思っている。
とはいえ、ルチアーノの口振りには、まるでそれ以外にも特徴があると言っているようで気になった。思わず、疑問と好奇心の混ざった目を向けると、それを横目に受けとめたルチアーノが、呆れが滲む吐息をこぼした。
「どうやら、知らないようですね。人間側でも有名な話ですよ。精霊の血を引いているのなら、少しは調べて知っていても損はないと思いますが。――ああ、でも事前に知識があることで変わってしまう事もあるのでしょうかね。あなたの両親は珍しいパターンです」
「……あの、答えがはぐらかされているようで苛々するのですが?」
ティーゼとしては、こんなにも人間じみているのに、本当に視る事があるのだろうかと常々疑問に思っている。
とはいえ、ルチアーノの口振りには、まるでそれ以外にも特徴があると言っているようで気になった。思わず、疑問と好奇心の混ざった目を向けると、それを横目に受けとめたルチアーノが、呆れが滲む吐息をこぼした。
「どうやら、知らないようですね。人間側でも有名な話ですよ。精霊の血を引いているのなら、少しは調べて知っていても損はないと思いますが。――ああ、でも事前に知識があることで変わってしまう事もあるのでしょうかね。あなたの両親は珍しいパターンです」
「……あの、答えがはぐらかされているようで苛々するのですが?」