傷跡にコンプレックスを抱いた事はない。仲間達と分かち合った出来事は勲章のように思えたし、クリストファーへの負い目がなければ、日の下に晒せていただろう。
日焼けによって傷跡が残る事を、クリストファーが痛ましいほど悩んでいたと聞かされたから、ティーゼは、「じゃあ仕方ないから」と傷跡が薄くなるまではと決めて、意識してシャツの襟をしっかり締める服装を意識していた。
思い返すと、白いシャツから透けて見えるぐらいだった傷跡が、今は透けないぐらい薄くなっている事を、ティーゼは感慨深く思った。
「ここまで薄くなるのも、あっという間だった気がするなぁ」
常に肌を隠すような服を着ていたので、今更見せるのは恥ずかしい気持ちもある。窮屈に感じていた男性用のシャツの襟も、今ではすっかり慣れたものであるし、しばらくは傷跡を日差しに晒す予定もなかった。
ティーゼは、きれいになった自分の服に袖を通した。
思えば、こんなに遠い町で一泊を過ごすのは、初めての事で新鮮でもあった。「外泊なんて初めてかもしれない」と気付いて、昨日から続く面倒な現実を忘れていたティーゼは、気分が上がった。
日焼けによって傷跡が残る事を、クリストファーが痛ましいほど悩んでいたと聞かされたから、ティーゼは、「じゃあ仕方ないから」と傷跡が薄くなるまではと決めて、意識してシャツの襟をしっかり締める服装を意識していた。
思い返すと、白いシャツから透けて見えるぐらいだった傷跡が、今は透けないぐらい薄くなっている事を、ティーゼは感慨深く思った。
「ここまで薄くなるのも、あっという間だった気がするなぁ」
常に肌を隠すような服を着ていたので、今更見せるのは恥ずかしい気持ちもある。窮屈に感じていた男性用のシャツの襟も、今ではすっかり慣れたものであるし、しばらくは傷跡を日差しに晒す予定もなかった。
ティーゼは、きれいになった自分の服に袖を通した。
思えば、こんなに遠い町で一泊を過ごすのは、初めての事で新鮮でもあった。「外泊なんて初めてかもしれない」と気付いて、昨日から続く面倒な現実を忘れていたティーゼは、気分が上がった。