三人だというのに、夕食には豪勢なディナーがテーブルに並べられた。

 食事を進めながらルイから惚気話を聞かされ後、ティーゼは、ルイとルチアーノに屋敷の中を紹介されながら、泊まる部屋まで案内された。

 
 部屋には備え付けの広い浴室に温泉風呂が付いており、既に良いハーブの香りがする湯気が立ち昇っていた。

 
 バラの花弁を落とすと、ぐっすり眠れるのだとルイに小袋を手渡され、ティーゼは早速使用してみた。温泉水はハーブよりもバラの芳香をまとって肌にしっとりと絡みつき、用意されていたタオルも柔らかかった。

 使用人の姿は一度も見なかったが、目を向けていない間に全てが用意されるという素早い仕事振りは相変わらず続いた。

 風呂から上がると、女性物の夜着が用意されていた。
 成人女性の平均身長に満たないティーゼには、首周りが少し大きい夜着だ。

 白いフリルの装飾も、素肌に触れる質の良い絹の手触りにも慣れなかったが、ティーゼはその日の疲れもあって、ベッドに入ると物の数分で眠りに落ちた。

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