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図書室の窓沿いの席で、午後の柔らかな暖かさを覚えながら、ティーゼはテーブルに突っ伏していた。
魔王の屋敷にあった図書室は、高価そうな本の帯が壁一面の棚にずらりと並んでいた。完全にプライベートな別荘として機能しているせいか、滑らかな手触りをした長くて白いテーブルが部屋の中央に鎮座している他は、すべて膨大な本で埋め尽くされている。
書籍の一部は、前国王夫妻からの贈り物らしい。
それは、やけに恋愛をメインとした書物が多かったのだが、ティーゼは「何故だ」と納得がいかない。
本人が無自覚だろうと、ティーゼから見れば、ルイは女性を褒める事に優れている。しかし、恋がそうさせるのか、いざ手紙として書こうとすると言葉選びに悩みだしたのだ。
愛しのマーガリー嬢を言葉で表すなんて、とルイは惚気のような事を言い始めた。ティーゼは、ルイに協力すべく、マーガリー嬢に送るに相応しい愛の言葉を探そうと、ルチアーノと手分けして多くの詩集本を見繕い開いていったのだが……
図書室の窓沿いの席で、午後の柔らかな暖かさを覚えながら、ティーゼはテーブルに突っ伏していた。
魔王の屋敷にあった図書室は、高価そうな本の帯が壁一面の棚にずらりと並んでいた。完全にプライベートな別荘として機能しているせいか、滑らかな手触りをした長くて白いテーブルが部屋の中央に鎮座している他は、すべて膨大な本で埋め尽くされている。
書籍の一部は、前国王夫妻からの贈り物らしい。
それは、やけに恋愛をメインとした書物が多かったのだが、ティーゼは「何故だ」と納得がいかない。
本人が無自覚だろうと、ティーゼから見れば、ルイは女性を褒める事に優れている。しかし、恋がそうさせるのか、いざ手紙として書こうとすると言葉選びに悩みだしたのだ。
愛しのマーガリー嬢を言葉で表すなんて、とルイは惚気のような事を言い始めた。ティーゼは、ルイに協力すべく、マーガリー嬢に送るに相応しい愛の言葉を探そうと、ルチアーノと手分けして多くの詩集本を見繕い開いていったのだが……