「見たままでしょうね。彼女の兄上とは文通仲間ですが、やはりルイ様を好ましくは感じていらっしゃらないようで」
「え、ルチアーノさん文通とかやってるんだ、何だか意外……――あぁ! 私が持ってきた手紙がそうなのかッ」
その時、マーガリー嬢が、気付いたようにこちらを振り返った。彼女のエメラルドの瞳がより鋭くなり、言葉なく「出て来なさい」と威圧的に語っている。
このままだと怒られそうな危機感を覚えて、ティーゼは恐る恐る、半ばルチアーノを盾にルイのそばに歩み寄った。近い距離から、怖い表情をした背の高い美女をちらりと見上げると、ふと、マーガリー嬢の眉間の皺が薄まった。
「あら、珍しいですわね。陛下がそこの取り巻き以外に人を連れていらっしゃるなんて。その子、人間ですわよね?」
「そうだよ。人間で、僕の友人のティーゼだ」
「『ティーゼ』?」
マーガリー嬢が思案するような顔をしたが、すぐに冷静な表情に戻してティーゼを見降ろした。
「え、ルチアーノさん文通とかやってるんだ、何だか意外……――あぁ! 私が持ってきた手紙がそうなのかッ」
その時、マーガリー嬢が、気付いたようにこちらを振り返った。彼女のエメラルドの瞳がより鋭くなり、言葉なく「出て来なさい」と威圧的に語っている。
このままだと怒られそうな危機感を覚えて、ティーゼは恐る恐る、半ばルチアーノを盾にルイのそばに歩み寄った。近い距離から、怖い表情をした背の高い美女をちらりと見上げると、ふと、マーガリー嬢の眉間の皺が薄まった。
「あら、珍しいですわね。陛下がそこの取り巻き以外に人を連れていらっしゃるなんて。その子、人間ですわよね?」
「そうだよ。人間で、僕の友人のティーゼだ」
「『ティーゼ』?」
マーガリー嬢が思案するような顔をしたが、すぐに冷静な表情に戻してティーゼを見降ろした。