「僕の正式名称は長いから、ルイと呼んでね」
そう言われたティーゼは、反射条件のように「私の事はティーゼでいいです」と答えてしまい、気付いたらルイに腕を引かれ、屋敷の庭先に連行されていた。
いつ用意されたのかは知らないが、辿り着いた先にはテラス席が当然のように用意されており、三つ分の紅茶からは、香ばしい湯気が立ち上っていた。テーブルに並べられているのは、どれも口に甘い上品そうな高級菓子だった。
ティーゼは促されるまま席に座り、紅茶に口をつけた。全種類の菓子を味見し、どれも一級品の美味さだと肯いたところで、ふと我に返る。
なぜ自分は今、魔王とその宰相と、優雅にお茶なんぞしているのだろう?
「反応が鈍いですよ。全部の菓子に手をつける前に気付きなさい」
「え。心が読めるんですか、何それ怖い」
「残念ですが、あなたの愛嬌も色気もない顔に全部出ています」
「くッ、余計な単語が多すぎる……!」
愛嬌なんて更々ねぇよ、とティーゼは半ばやけくそで舌打ちした。
そう言われたティーゼは、反射条件のように「私の事はティーゼでいいです」と答えてしまい、気付いたらルイに腕を引かれ、屋敷の庭先に連行されていた。
いつ用意されたのかは知らないが、辿り着いた先にはテラス席が当然のように用意されており、三つ分の紅茶からは、香ばしい湯気が立ち上っていた。テーブルに並べられているのは、どれも口に甘い上品そうな高級菓子だった。
ティーゼは促されるまま席に座り、紅茶に口をつけた。全種類の菓子を味見し、どれも一級品の美味さだと肯いたところで、ふと我に返る。
なぜ自分は今、魔王とその宰相と、優雅にお茶なんぞしているのだろう?
「反応が鈍いですよ。全部の菓子に手をつける前に気付きなさい」
「え。心が読めるんですか、何それ怖い」
「残念ですが、あなたの愛嬌も色気もない顔に全部出ています」
「くッ、余計な単語が多すぎる……!」
愛嬌なんて更々ねぇよ、とティーゼは半ばやけくそで舌打ちした。