とはいえ、クリストファーは独占欲も強いので、婚姻後、屋敷に専属の使用人を置いてくれるよう説得しなければならないだろうが。
「えぇと、なんでしょう……?」
メイドに横目でじっと見降ろされ、ティーゼは、慣れない恰好を見られているのだろうか、と思ってそう尋ねた。
「――いいえ、なんでもございませんわ」
メイドがにっこりとしたので、ティーゼもつられて、ぎこちなく笑った。
「さて、予定通りの時間ですわね」
メイドは背筋を伸ばし、一つの大きな扉の前で歩みを止めた。普段は衛兵か、男性の使用人がやるところなのだが、彼女は仕方ないと内心諦めて扉を押し開けた。
扉が開くと同時に、そこから賑やかな声が聞こえて来て、ティーゼは目を丸くした。
初めて見る王宮の舞踏会はどこもかしこも眩しくて、着飾った多くの男女や、高い天井のシャンデリア、オーケストラの生演奏にも驚かされた。ティーゼは、それをよく見ようとしたのだが、目の前に立ち塞がった人物を見て目を瞠った。
「えぇと、なんでしょう……?」
メイドに横目でじっと見降ろされ、ティーゼは、慣れない恰好を見られているのだろうか、と思ってそう尋ねた。
「――いいえ、なんでもございませんわ」
メイドがにっこりとしたので、ティーゼもつられて、ぎこちなく笑った。
「さて、予定通りの時間ですわね」
メイドは背筋を伸ばし、一つの大きな扉の前で歩みを止めた。普段は衛兵か、男性の使用人がやるところなのだが、彼女は仕方ないと内心諦めて扉を押し開けた。
扉が開くと同時に、そこから賑やかな声が聞こえて来て、ティーゼは目を丸くした。
初めて見る王宮の舞踏会はどこもかしこも眩しくて、着飾った多くの男女や、高い天井のシャンデリア、オーケストラの生演奏にも驚かされた。ティーゼは、それをよく見ようとしたのだが、目の前に立ち塞がった人物を見て目を瞠った。