ティーゼは、どうにか話の内容を理解するべく、時間を稼ぐように瞬きをした。断われないとあっては、参加するしかないのだろうと、クラバートを困らせない方向で自分に言い聞かせるものの、戸惑いも疑問も次から次へと湧いて来る。

「……団長さん。あの、今から王都に行ってドレスアップするとか、急すぎないですかね? というか、私はただの庶民なので、ドレスとか持っていないんですけど……」
「ドレスなら前々から作らせていたサイズピッタリの物があ――おっほんッ。ちょうどサイズ的にもぴったりの一式が、偶然にも! あるとの事ですし、任せておけばいいんですッ」

 というか、どうして私がお呼ばれしているのでしょうか……?

 英雄の幼馴染というだけであるのに、何故か名のある貴族から「参加を心よりお待ちしております」と丁寧な手紙付きで、国王陛下の名前で正式な招待状も出ていた。しかも、ドレスが用意されている場所は王宮であるという。