混雑していない今のうちにギルドで募集広告を探し、なければ作る予定だが、パーティーメンバーはどれぐらいで固まってくれるのだろうか、とティーゼは唐突に疑問を覚えた。出来れば早いうちにパーティーを作って、少しずつ遠征の距離を伸ばして行きたいとは思う。

 町の騎士は情報通が多いので、ティーゼは、クラバートにちらりと相談してみた。

 すると、途端にクラバートとその部下の表情が凍りついた。数秒ほど硬直したクラバートが、「え。……ギルド・パーティーの『相方』を募るんですか?」と震える声で言い、恐る恐る口に手をやる。

「ずっとソロで回っていたんですけど、長距離の旅だと一人は寂しそうだし、パーティーを組んだ方が楽しいそうだと思ったんです。長く一緒にいられる、気の合うメンバーと出会えればいいなとは思いますけど」

 相性の問題もあるだろうし、長距離の旅に関しては、圧倒的に女性が少ない傾向にあるとは聞いていた。女性というだけで戦力外と考える男も多く、十六歳で、これといって目立つ実績も残していないティーゼが募集したとしても、人が集まってくれる保証はないだろう。