しばし考えていたクラバートが、「ひとまず戻るか」と呟き、肩越しにルイを振り返った。

「魔王様、祝いの舞踏会は今週いっぱいなので、早々に予定を入れた方が良いですよ」

 クラバートが、協力が必要ならおっしゃって下さい、と伝えるように笑った。ルイが「ありがとう。明日か明後日に予定を入れてもらおうとは思っているよ」と微笑を返した。

 部下と共に踵を返したクラバートが、「そう言えば」と足を止めて、再びティーゼを見やった。

「あなた様は、いつお帰りに?」
「まぁ少し観光でもして、明日の列車では帰ろうかと思っています」

 また急にクリストファーに来られても困るし、終わったら帰って来るんだよねと念も押されたので、早々に戻ろうとは考えいた。トラウマ的な心配症になっている幼馴染からの自立計画については、一旦戻ってから仕切り直す予定でいる。

 旅に出る下準備として、ひとまず先に、店を締めている今週を使って、ギルドのパーティーを作る予定は立てていた。