こちらに駆けて向かって来るのは、二十歳そこそこといった若い風貌の騎士だった。その青年は、ルイとルチアーノを見ると緊張したように顔を強張らせたが、ティーゼに気付くと目を見開いて「まさかの絵姿と同じ顔!?」と驚愕の叫びを上げた。
待って、絵姿って何。そんなものを描かれた覚えはないんだが。
ティーゼが訝しげに首を傾げると、若い騎士は「ッ人違いでしたすみません!」と慌てたように取り繕い、クラバートへ向き直った。
「ベルドレイク総隊長から緊急の魔法通信が入りまして、至急、団長からの連絡が欲しいと申しておりますッ」
「珍しいな? ベルドレイクのおっさん、何の用なんだろうな。もしかしてマーガリーの件か? 確か、すごく可愛がっていたもんな」
「それはこれから伝えるから、別件じゃないかな」
ルイが、のんびりと間延びするように口を挟んだ。
魔法通信というのは、魔力機器に映像と音声を繋げ、遠くの距離にいる人間と会話を可能とする装置だ。設置するには国の認可が必要となっており、通信を可能とする魔力構築には手間がかかるので、国家が指定する施設以外にはない。
待って、絵姿って何。そんなものを描かれた覚えはないんだが。
ティーゼが訝しげに首を傾げると、若い騎士は「ッ人違いでしたすみません!」と慌てたように取り繕い、クラバートへ向き直った。
「ベルドレイク総隊長から緊急の魔法通信が入りまして、至急、団長からの連絡が欲しいと申しておりますッ」
「珍しいな? ベルドレイクのおっさん、何の用なんだろうな。もしかしてマーガリーの件か? 確か、すごく可愛がっていたもんな」
「それはこれから伝えるから、別件じゃないかな」
ルイが、のんびりと間延びするように口を挟んだ。
魔法通信というのは、魔力機器に映像と音声を繋げ、遠くの距離にいる人間と会話を可能とする装置だ。設置するには国の認可が必要となっており、通信を可能とする魔力構築には手間がかかるので、国家が指定する施設以外にはない。