「コレが言ったように、英雄なら急ぎ王都に戻られましたよ。私にとって面白そうな話であれば、あなたの過去に何があったのか是非とも聞いてみたいものですが」
「ははは、勘弁して下さい、宰相様。あなたの好奇心を楽しませるような不幸ネタは、王都を出る時に封印して来たんですよ」
困ったように眉尻を下げ、クラバートは、ティーゼの時よりも緊張を解いた様子で答えた。
ティーゼは、後方にいたルイを肩越しに見やり「知り合いなんですか?」とこっそり尋ねた。ルイが「そうだよ」と答えながら、笑顔で肯いた。
「町の治安を守ってくれているから自然と付き合いも増えるし、顔を会わせれば話すくらいには交流もあるよ。人間にしては、魔族並みにお酒も強くてね。数日に一回は、近くの居酒屋で一緒に飲んだりするよ」
「……それ、すごく仲が良いって言いませんか?」
ルイ達とは、一日と少しの付き合いしかないティーゼと比べると、クラバートは、圧倒的に友人の名に相応しい立場にあるような気がする。友達なのではないですか、と尋ねたい気もしたが、本人を前に「友人とは違うよ」と大人の付き合いを主張されたら困るので、黙っていた。
「ははは、勘弁して下さい、宰相様。あなたの好奇心を楽しませるような不幸ネタは、王都を出る時に封印して来たんですよ」
困ったように眉尻を下げ、クラバートは、ティーゼの時よりも緊張を解いた様子で答えた。
ティーゼは、後方にいたルイを肩越しに見やり「知り合いなんですか?」とこっそり尋ねた。ルイが「そうだよ」と答えながら、笑顔で肯いた。
「町の治安を守ってくれているから自然と付き合いも増えるし、顔を会わせれば話すくらいには交流もあるよ。人間にしては、魔族並みにお酒も強くてね。数日に一回は、近くの居酒屋で一緒に飲んだりするよ」
「……それ、すごく仲が良いって言いませんか?」
ルイ達とは、一日と少しの付き合いしかないティーゼと比べると、クラバートは、圧倒的に友人の名に相応しい立場にあるような気がする。友達なのではないですか、と尋ねたい気もしたが、本人を前に「友人とは違うよ」と大人の付き合いを主張されたら困るので、黙っていた。