気になる事と言えば、手紙一つでパニックになって逃げ出してしまう初心なマーガリー嬢が、正式なプロポーズ、とやらを公衆の面前で受けた場合の反応だろうか……正直に言ってしまえば、ルイが、あの声でどのように告白するのかも気になる。

 プロポーズをするルイは、好きです、と彼女に分かるよう伝えるのだろうか。それとも単刀直入に、愛しています、と微笑むのだろうか?

 ティーゼは何だか、想像するだけでくすぐったい感じがして、自分の事ではないのに恥ずかしさを覚えた。想像の相手が、ルイやマーガリー嬢じゃなければ、多分もっと、きゅんとしてしまうような――


 羨ましいなぁと想像した一瞬、脳裏に過ぎったのは、誰もがうっとりするようなクリストファーの姿だった。


 ……ん? あれ、おかしいな。何でそこでクリスが出て来るの?

 今、ものすごく危ない事を想像しそうになった気がして、ティーゼは思考を止めた。柄にもなく恋愛について妄想しかけたのは、きっと、恋するルイに付き合っているせいで、愛について考える機会が多かったせいだろう。