けれど好奇心のように、続けて思い浮かんで来たのは、寄りそうルイとマーガリー嬢の姿だった。それは、とても幸せな形のように思えて、少しだけ憧れに似た思いが胸に込み上げる。
いつか自分も、ずっとそばにいてくれるような、こんな自分でも好きだと言って愛してくれるような人と、巡り会えるだろうか。
ティーゼは、父と母のように、これ以上の幸福はないという顔で、我が子を見守る自分の姿を脳裏に思い描いた。しかし、それは少しだけくすぐったい気持ちがして、すぐに考えを打ち消した。そんな事を考えてしまったら、まだ知らない『恋』というものがしたくなってしまうではないか。
「あなたも、女の子らしいところがあるじゃない」
立ち上がった矢先、マーガリー嬢に声を掛けられ、ティーゼは心を見透かされたようでドキリとした。
「い、いやいやいやッ、なんの事やら私にはさっぱり……」
「視線を泳がせても駄目よ。舞踏会に行きたいのでしょう?」
「は? そんな事は全然考えてなかったです!」
ティーゼは、慌てて即座に否定した。なんだそっちかよ、と思うと同時に、これ以上巻き込まれるのも勘弁して欲しいと切に思った。
いつか自分も、ずっとそばにいてくれるような、こんな自分でも好きだと言って愛してくれるような人と、巡り会えるだろうか。
ティーゼは、父と母のように、これ以上の幸福はないという顔で、我が子を見守る自分の姿を脳裏に思い描いた。しかし、それは少しだけくすぐったい気持ちがして、すぐに考えを打ち消した。そんな事を考えてしまったら、まだ知らない『恋』というものがしたくなってしまうではないか。
「あなたも、女の子らしいところがあるじゃない」
立ち上がった矢先、マーガリー嬢に声を掛けられ、ティーゼは心を見透かされたようでドキリとした。
「い、いやいやいやッ、なんの事やら私にはさっぱり……」
「視線を泳がせても駄目よ。舞踏会に行きたいのでしょう?」
「は? そんな事は全然考えてなかったです!」
ティーゼは、慌てて即座に否定した。なんだそっちかよ、と思うと同時に、これ以上巻き込まれるのも勘弁して欲しいと切に思った。