ティーゼは呆気に取られ、マーガリー嬢を見上げた。その男顔負けの凛々しい物の考え方に、思わず「おぉ……なんとも勇ましい」と呟いてしまう。

「でも、突然の参加とか大丈夫なんですか?」
「これでも伯爵令嬢として招待はあったのよ。面倒だから参加していないだけで」
「あ、そうでした」

 そういえば彼女は生粋の貴族令嬢でもあったのだと、ティーゼは思い出し、内心ガッツポーズをした。

 当初は無謀だと思われていたが、ルイの初恋が報われる可能性が見えて来た。話してみると、マーガリー嬢の意外で可愛らしい一面にも気付けたので、出来れば女性としての幸せを掴んで欲しいとも応援したくなった。

 ふと、そこでティーゼは、自分の事も考えさせられた。

 クリストファーのトマウマ的な心配性がなくなって、彼が結婚して離れて行った後はどうしようか。世界中を旅して回るのも楽しそうだが、ギルドの仕事にも慣れて来た事だし、これまで彼が反対してきた仕事仲間ぐらいは、そろそろ欲しいとも思う。