「私から見て、マーガリーさんは、ルイさんの事が心底嫌いじゃないと感じました。もし毛嫌いしているのなら、手紙を押し返してると思うんですよ」
「なんだか、今のあなたに言われても説得力を感じないのだけれど……。そうね、悪い人じゃないのは認めるわ。歴代の魔王の中で、もっとも優しいと噂されるだけの事はある人でしょうね。でも、好きかどうかは別でしょう? 苦労を知らない、あの呑気でのんびりとした笑顔を見ていると、ぶちのめしたくもなるのよ」

 それは、あまりにルイが可哀そうだ。

 しかし、感触は悪くないと良い方に考え、ティーゼは得意げに胸を張った。

「私、結構良い組み合わせだと思うんです。ルイさんは、魔界一モテる男だと聞きました。過ごしてみると本当に優しいし、ルチアーノさんに比べると神様みたいな人だし、クリスに比べたら牙もない神様って感じがします!」
「『英雄』と『氷の宰相』が、ひどい言われようねぇ……」

 マーガリーが、どこか同情するような目をしたが、ティーゼは気付かず続けた。