「……それ、どこの勇者なの?」
「幼馴染のラスという奴です。去年めでたく結婚しました」
「そう……花が、指輪や宝石のかわりなのね」
結婚指輪はその後に贈っていたが、まぁいいか、とティーゼは黙っている事にした。
チラリと横に目をやると、マーガリー嬢は組んだ足の上に視線を落としていた。その上で組み合わされた指が、形のいい鍛えられた足を不規則に叩いている。
「マーガリーさんは、ルイさんが嫌いですか?」
単刀直入に訪ねてみると、困ったような顔がこちらを向いた。
「それが分からないから困っているのよ。あなた、『英雄』の事は嫌い?」
「嫌いじゃないです。大事な幼馴染だし、友人として好いてます」
「もし彼にプロポーズされたら、どうする?」
「それはないと思いますけど」
クリストファーは姫が好きなのだから、友人である自分に、そのような感情を向けるなんて、ありはしないだろう。
迷わずに答えたのに、マーガリーは奇妙な表情を浮かべた。ティーゼが「お姫様、美人なんでしょう?」と告げると、「確かにそうだけれど……」と話しが掴めないように渋る。
「幼馴染のラスという奴です。去年めでたく結婚しました」
「そう……花が、指輪や宝石のかわりなのね」
結婚指輪はその後に贈っていたが、まぁいいか、とティーゼは黙っている事にした。
チラリと横に目をやると、マーガリー嬢は組んだ足の上に視線を落としていた。その上で組み合わされた指が、形のいい鍛えられた足を不規則に叩いている。
「マーガリーさんは、ルイさんが嫌いですか?」
単刀直入に訪ねてみると、困ったような顔がこちらを向いた。
「それが分からないから困っているのよ。あなた、『英雄』の事は嫌い?」
「嫌いじゃないです。大事な幼馴染だし、友人として好いてます」
「もし彼にプロポーズされたら、どうする?」
「それはないと思いますけど」
クリストファーは姫が好きなのだから、友人である自分に、そのような感情を向けるなんて、ありはしないだろう。
迷わずに答えたのに、マーガリーは奇妙な表情を浮かべた。ティーゼが「お姫様、美人なんでしょう?」と告げると、「確かにそうだけれど……」と話しが掴めないように渋る。