二十代中盤を超え、半ば諦めていたせいでもあるのかもしれない。
幼い頃の熱い胸のトキメキも忘れ、男所帯の騎士団ですっかり免疫がついた事もあって、マーガリー自身にそういった希望はなくなっていた。爵位は弟が継ぐし、自分は貴族の女性として、父がいずれ用意するだろう政略結婚の相手と結婚すればいい、と楽観もしていた。
だから、先程の走り込みの途中で、初めてもらったラブレターとやらに彼女は酷く混乱した。
ルイに「初めて書いた『ラブレター』なんだ」と、いつもの完璧な微笑と共に手渡されたが、マーガリーはそこで思考が止まり、何も答える事が出来ないまま逃走した。
思わず全速力で騎士団支部に戻り、一体どういうことだろうかと尋ねるべく、周りの部下達に事情を説明すると、「普通のラブレターじゃないですか、それが何か?」「露骨なアプローチだったでしょうに」と特に驚きもされなかったのだった。
※※※
「……団長、これは果たし状でも、魔族部隊への勧誘でもないという事かしら」
「だーかーらー、れっきとした恋文だろうが」
幼い頃の熱い胸のトキメキも忘れ、男所帯の騎士団ですっかり免疫がついた事もあって、マーガリー自身にそういった希望はなくなっていた。爵位は弟が継ぐし、自分は貴族の女性として、父がいずれ用意するだろう政略結婚の相手と結婚すればいい、と楽観もしていた。
だから、先程の走り込みの途中で、初めてもらったラブレターとやらに彼女は酷く混乱した。
ルイに「初めて書いた『ラブレター』なんだ」と、いつもの完璧な微笑と共に手渡されたが、マーガリーはそこで思考が止まり、何も答える事が出来ないまま逃走した。
思わず全速力で騎士団支部に戻り、一体どういうことだろうかと尋ねるべく、周りの部下達に事情を説明すると、「普通のラブレターじゃないですか、それが何か?」「露骨なアプローチだったでしょうに」と特に驚きもされなかったのだった。
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「……団長、これは果たし状でも、魔族部隊への勧誘でもないという事かしら」
「だーかーらー、れっきとした恋文だろうが」