既に首筋の半分を覆ってしまったルチアーノの手はひんやりとしていたが、慣れてくると、心地良い冷たさだとも思えた。
「結構大きいですけど、さして面白くもない普通の傷跡ですよ」
「全部を見ても、私は不快にならないと思います」
「え。……あの、もしかして全部見たいんですか?」
尋ねれば、何故か訝しむような表情を返された。ティーゼの首筋の下に触れていたルチアーノの指先は、既に開いた襟からぎりぎり見える傷跡まで辿りついていた。
細かいところまで気になるタイプなのだろうかと、ティーゼは困ってしまった。
これまでティーゼは、肩や胸元を大胆に晒すような女性服を着た事がないため、同性同士であったとしても、必要以上に肌を見せることに対しては躊躇があった。
すると、その戸惑いが伝わったのか、ルチアーノが宥めるように彼女の顎先に触れ、そっと顔を持ち上げながら上から覗き込んで来た。
「見せろとは言っていませんよ。ただ、許可頂ければ勝手に確認するかもしれません」
「結構大きいですけど、さして面白くもない普通の傷跡ですよ」
「全部を見ても、私は不快にならないと思います」
「え。……あの、もしかして全部見たいんですか?」
尋ねれば、何故か訝しむような表情を返された。ティーゼの首筋の下に触れていたルチアーノの指先は、既に開いた襟からぎりぎり見える傷跡まで辿りついていた。
細かいところまで気になるタイプなのだろうかと、ティーゼは困ってしまった。
これまでティーゼは、肩や胸元を大胆に晒すような女性服を着た事がないため、同性同士であったとしても、必要以上に肌を見せることに対しては躊躇があった。
すると、その戸惑いが伝わったのか、ルチアーノが宥めるように彼女の顎先に触れ、そっと顔を持ち上げながら上から覗き込んで来た。
「見せろとは言っていませんよ。ただ、許可頂ければ勝手に確認するかもしれません」