二人の魔族から契約を否定されても、クリストファーの雰囲気はピリピリとしたままだった。出来るだけ無駄だと思われるような発言は控えたほうが良さそうだと思えたが、ルイがマーガリー嬢に手紙を手渡せるタイミングを逃してしまわないか心配もあった。
先程、手紙を返しながら促したにも気関わらず、ルイは行動を起こそうとしてくれないし、ルチアーノも上司に従って動こうとしない。
つまり、この状況を長引かせると、手紙を渡せるタイミングが後にずれる可能性がある。こうなったら、自分がどうにかするしかないだろう。
ティーゼは、クリストファーに説明する事を決意して向き直った。
「あのさ、クリストファー? 確かにギルドのお仕事は終わったけど、ルイさんってこう見えてすごく純情で、それで私が少しだけ協力しているんだけど――」
「魔王陛下の事は愛称で呼ぶのに、僕の名前は、愛称で呼んでくれないんだね」
「え」
「僕が貴族だから、慣れ慣れしく呼ぶなと誰かに言われたの? それとも、年頃だからそうすべきだとでも誰かに教えられた? カルザークやジェラルド達の事は、ずっと親しげに呼んでいるのに?」
先程、手紙を返しながら促したにも気関わらず、ルイは行動を起こそうとしてくれないし、ルチアーノも上司に従って動こうとしない。
つまり、この状況を長引かせると、手紙を渡せるタイミングが後にずれる可能性がある。こうなったら、自分がどうにかするしかないだろう。
ティーゼは、クリストファーに説明する事を決意して向き直った。
「あのさ、クリストファー? 確かにギルドのお仕事は終わったけど、ルイさんってこう見えてすごく純情で、それで私が少しだけ協力しているんだけど――」
「魔王陛下の事は愛称で呼ぶのに、僕の名前は、愛称で呼んでくれないんだね」
「え」
「僕が貴族だから、慣れ慣れしく呼ぶなと誰かに言われたの? それとも、年頃だからそうすべきだとでも誰かに教えられた? カルザークやジェラルド達の事は、ずっと親しげに呼んでいるのに?」


