初、呼び出しを喰らいました。

校舎裏の壁に追い詰められて、内心唸った。目の前にいるのは、クラスの中でも派手な方の女子が三人ほど。……今までは地味―に嫌がらせをされていたけど、とうとう正面切ってきたか……。

「何回も訊いて正直こっちも悪いなあとは思ってるんだけどね?」

いや、悪いと思ってる囲み方ではないよね。思うけど、それを口にするのが火に油なことくらいはわかる。

「桜城くんと付き合ってない、で、合ってるんだよね?」

真紅は何度目になるかわからないけど、肯いた。……それでも、こう何度もこういう目に遭ってるとなあ……と、多少自棄になっていたフシはある。

言ってしまってから、後悔した。

「本当にそれは誤解。私、彼氏いるし」

『……え?』





「海雨~!」

とりあえず海雨のところへ駆けこんだ。

海雨は驚いていたけど、優しく私を抱き留めた。

「ふむふむ。嫌気がさしてそんなこと言っちゃったんだ、と」

「うん……そしたら退いてくれるかなー、て……」

「そんで、なら連れて来いと言われた、と」

「明日の放課後だって……」

私、盛大な自爆をしていた。

彼氏がいると言えば、もう桜城くんとの関係を恋愛で見られることもないかと思った。少し前に考えていたことが、口に出てしまっていた。