「……ママってすごいなあ」
それから更に半紙を増やしてみた。
五枚ほど書いたところで、何だか満足――した。
心が満たされた、と言うか……安心したのだと思う。
「……もう、大丈夫」
言葉一つで信じることが、出来る。
……私は薄々考えていたことがある。ママの恋人とやらのことだ。
「本当に、いるのかな……?」
ママが私を独りにしている理由。
私がその人と逢ったことは一度もない。実の父親がどうしていないかは知っている。あれはあれでなかなか複雑だから、私に言えたこともない。それが原因で、ママは私ともども桜木の家から絶縁されたらしい。
しかしママに恋人がいないとなると、どうして私を独りにしているかがわからない。
叶うなら、一緒に暮らしたい。
「………」
考えてもわからないことなので、一旦放棄することにした。それより今は、黎のこととか。海雨のこととか。
明日も海雨のところへ行こう。海雨とは保育園からの友達で、一番私をわかろうとしてくれる子だ。