(でも実際にちゃんとそれできるかなあ……)
すると、日和が琴子に声をかけた。
「ミコ様、人間の方がいらっしゃいました」
「え? いきなり?!」
やがて、階段をあがってきたのは一人の年老いた女性だった。
階段を上ると、貢物を置き、焦った表情で社に願い事を言う。
「ミコ様、5歳の孫をどうか見つけてください。かすみ公園で私が……私がちょっと目を離した隙にいなくなってしまったんです。男の子で服装は青いトレーナーに黒いズボン、赤い帽子をかぶっていました。どうか無事に……無事に……」
手を何度もこすり合わせて深々とお辞儀をしながら、お願いをするその女性を琴子は真剣に見つめていた。
しばらく祈ると、踵を返して去っていった。
すると、日和が琴子に声をかけた。
「ミコ様、人間の方がいらっしゃいました」
「え? いきなり?!」
やがて、階段をあがってきたのは一人の年老いた女性だった。
階段を上ると、貢物を置き、焦った表情で社に願い事を言う。
「ミコ様、5歳の孫をどうか見つけてください。かすみ公園で私が……私がちょっと目を離した隙にいなくなってしまったんです。男の子で服装は青いトレーナーに黒いズボン、赤い帽子をかぶっていました。どうか無事に……無事に……」
手を何度もこすり合わせて深々とお辞儀をしながら、お願いをするその女性を琴子は真剣に見つめていた。
しばらく祈ると、踵を返して去っていった。