「よかったね、あの子たち」
「はい、ミコ様のお力ですね」
「私は何もしてないよ」

 そういいながら琴子たちは神社へと戻ろうとしていた。
 その最中、見守ってきた女の子と友達と思わしき女の子が森の中で二人でいる。
 琴子たちは邪魔をしないようにそっと木の陰に潜んで見守った。

「今日の大会勝ててうれしかったね」
「うん、ようこちゃんのおかげだよ」
「ううん、さっちゃんのおかげ! ありがとう」

 二人の間にはちょっとした沈黙が流れる。
 そして「ようこちゃん」と呼ばれた女の子が意を決して口を開いた。

「さっちゃん。今までいつも一緒に遊んでくれてありがと。新しいおうちにいっても元気でね」
「……うん。ありがとう。ずっと友達だよ」
「うん! 手紙おくる! 年賀状も送るから! いっぱい電話もしよ!」
「うん!!」

 琴子はそっと木の陰に座ってふうと息を吐く。