(どうしよう……! え……私、鹿に転生したの?! 鹿……?! 鹿ってどう生活するの?)

 戸惑う琴子のもとに二頭の鹿が近づいてきた。

(え……なんか近づいてきた! な、なに? 挨拶したほうがいいの? 鹿って何語なの?? 鹿語?? え? え?)

 琴子がどぎまぎしているうちに二頭が琴子の目の前に来た。
 琴子は迷った挙句、自分の中の鹿のイメージで挨拶してみた。


「ぴ、ぴいー……」



 二頭からは返事がない。

(やっぱりダメ? 挨拶間違った?)

 すると、思いもよらない言葉が二頭から返ってきた。

「ミコ様、どうなさったのですか?」
「頭でも打ったのですか?」


(…………普通に人語喋ったあああああああーーーー!!!!)