「どうしよう、明日?!」
「ええ、明日でございます」
「それに優勝させるってどうやってっ!!?」
「それはミコ様のご采配次第でございます」
「ああー!! そうやって責任逃れしようとしてるでしょー!!」
「いいえ、私たちはミコ様の仰せのままに動きますので」
「ずるい~!!!」

 ミコである琴子が床をごろんごろんと転がって駄々をこねる。
 まるで子供のような仕草をみせるその様子に日和と葵が顔を見合わせて、ちいさなため息をついた。

「では、こういうのはどうでしょうか」

 根負けした日和が琴子にある提案をしようとすると、待ってましたといわんばかりにニコニコ顔で座って日和を見つめる。

「こほん、葵がその子に金魚すくいの極意を指南するというのはいかがでしょうか?」
「ああ! それいい! 葵、優勝狙いに行くくらいだったんだから強いんだよね? 2位とか?!」
「……いです」
「え?」
「3位です!!!」
「ご、ごめんなさい!!」

 傷をえぐることを言ってしまった琴子は猛省し、しばらく黙って日和の言うことに耳を傾けることにした。

「まずはその子の実力次第でもありますが、さすがに何か不正を手伝うわけにはまいりません。ですので、ここは明日までにその子の実力を上げることに注力しましょう」
「そうですね、その子がどれぐらい掬えるのかにもよりますし」
「では、ミコ様。女の子のところへまいりましょうか」
「う、うん!!」

 こうして三人は神社に参拝にきた女の子のところへ向かった。