「雫様、どうしてここに?」

 なでなでうさぎが雫に問う。

「薬屋の翡翠さんのところに行っていたの。なでなでうさぎさんは珍しいわね、こんなところで」

「あ、……はい……えっと……」

 なでなでうさぎは口ごもった。

「なでなでうさぎさんが帰りたくないそうで……」

 琴子は事情を話す。

「あら、どうして?」

「そ、それは……」

 再び口ごもるなでなでうさぎ。
 琴子が代わりに説明をする。

「かっこいいと思われたい……ですか……」

 すると雫はさらっと言葉を紡ぐ。

「私はなでなでうさぎさんのことをかっこいいと思っておりますよ?」

「え……?」

 その場にいた全員が雫の発言に注目する。